【種牡馬考察】2023新種牡馬産駒を考える~サートゥルナーリア~
シルクの2023年募集に向けて、新種牡馬をざっくり考えるシリーズです。あくまでもざっくりです。
2023年新種牡馬考察はこちらから↓
【シルク2023出資馬検討】新種牡馬産駒を考える~アドマイヤマーズ~
今回は新種牡馬サートゥルナーリア産駒です。7/10,11に行われたセレクトセールでも高額馬が続出しており、種付け量の上昇と合わせて見ても馬産地からの期待が伺える種牡馬です。
シルクでの募集は東西1頭ずつと、種付け頭数の割には少ないかな?という印象です。
キャロット血統でもあるので、ノーザンの大本命はそちらに流れているのでしょうか…?
この記事では、サートゥルナーリアの基本情報と、シルクホースクラブで募集予定の3頭についてまとめます。
(シルクホースクラブの2023年募集予定馬はこちらから)
サートゥルナーリア Saturnalia
黒鹿毛 2016年生 体高/162.0cm
ロードカナロア × シーザリオ
2021年種付料 / 600万円
2022年種付料 / 700万円
2023年種付料 / 800万円
2019年JRA最優秀3歳牡馬
年齢 | 着順 | レース名 | 競馬場 | 距離 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
2 | 1st | ホープフルS-G1 | 中山 | 芝2000m | 2.01.6 |
萩S-L | 京都 | 芝1800m | 1.49.6 | ||
2歳新馬 | 阪神 | 芝1600m | 1.37.2 | ||
3 | 1st | 皐月賞-G1 | 中山 | 芝2000m | 1.58.1 |
神戸新聞杯-G2 | 阪神 | 芝2400m | 2.26.8 | ||
2nd | 有馬記念-G1 | 中山 | 芝2500m | 2.31.3 | |
4th | 日本ダービー-G1 | 東京 | 芝2400m | 2.23.1 | |
4 | 1st | 金鯱賞-G2 | 中京 | 芝2000m | 2.01.6 |
4th | 宝塚記念-G1 | 阪神 | 芝2200m | 2.15.6 |
来歴
日本競馬界の名牝シーザリオの息子であるサートゥルナーリアは、期待を背負って2歳6月の早い時期にデビューしました。初戦は順調に勝利を飾り、休養を経て挑んだ萩ステークスも快勝。更に3戦目のホープフルステークスでも見事な走りを見せてG1を制覇し、競馬界の新星としてその名を鳴らしました。
続く皐月賞でも勝利し、クラシック制覇を達成。ダービーにも着実に進んでいきました。しかし、ルメール騎手の騎乗停止による乗り代わりとレース前のイレ込みから出遅れるなどのアクシデントに見舞われ、4着に敗戦を喫しました。
その後の神戸新聞杯では見事な復活を遂げて圧勝しましたが、天皇賞(秋)ではイレ込みから再び不振。しかし有馬記念ではリスグラシューに次ぐ2着に入り、長距離でもその力を発揮しました。
翌年の金鯱賞では勝利を収めたものの、続く宝塚記念では重馬場に泣き、4着に敗れてしまいました。さらにその後は連続して怪我に悩まされ引退、種牡馬入りとなりました。
東京競馬場になると毎回イレ込んでいて、「地下馬道がダメなんじゃないか?」と言われていたりしましたね。
血統背景
サートゥルナーリアの母であるシーザリオは言わずと知れたエピファネイア、リオンディーズなど、3頭ものG1勝利馬を産んだ名牝です。その中でも、サートゥルナーリアの半兄であるエピファネイアは、すでに種牡馬として2世代にわたってクラシックホースを輩出し、一流種牡馬としての地位を確立しています。この名牝系の高い遺伝能力は、シーザリオの血を引くサートゥルナーリアにも受け継がれており、その期待値は一層高まっています。
さらに、サートゥルナーリアの父はロードカナロアであり、その血統の中には数々の成功した競走馬が含まれています。父の特徴的な遺伝背景を理解するためには、母レディブラッサムの持つセクレタリアトとシリアンシーの3×4全兄妹クロスを見ることが重要です。これにより、ロードカナロアは産駒にしなやかさとストライドな走りを伝える傾向があります。しかし、それを適切に引き締める硬めの血統が必要です。
ここで、サートゥルナーリアの血統が引き締めの役割を果たします。Nortern Dancerの5×4のクロスや、9代で計算したNortern Dancerの血量が14.5%という豊かさがそれを示しています。
また、サートゥルナーリアの血統には、効果が得られるとされるニアリークロスが複数見られます。Secretariat≒Sir Gaylordの5×5、Storm Bird≒Nijinskyの3×5、Nureyev≒Sadler’s Wellsの6×4などがそれです。これらは、サートゥルナーリアの「柔」と「剛」のバランスを増強している要素と言えます。
さらに注目すべきは、サートゥルナーリアが豊富に持つHyperionの血。その血量は5.3%にも上り、これが皐月賞でのラストの叩き合いにおける粘り強さの源泉とも言えます。
シルク募集予定のサートゥルナーリア産駒
イストワールファムの22[牡]
一口価格90,000円
父サートゥルナーリア×母父ローエングリン
美浦 鹿戸雄一厩舎
ベガにつながる牝系が目を引く本馬。
一つ上のサトノダイヤモンド産駒の兄(アフィリオン)もシルク所属馬。初仔ながら早い仕上がりで札幌で早期デビュー予定。
モルジアナの22[牡]
一口価格90,000円
父サートゥルナーリア×母父Dubawi
栗東 新規開業厩舎
シャケトラなどを輩出しているサマーハを祖母に持つ本馬。モルジアナの兄弟は毎年シルクで募集されており毎年上位厩舎に預託されています。
昨年の募集では一つ上の兄モルジアナの21(マーシャルテイル)が1800票以上で出資実績400万円オーバーの超人気馬でした。
まとめ
ディープ牝馬に付けてサンデーの3×4のクロスを作るのが兄エピファネイアの産駒を見ても鉄板の成功パターンですが、募集の2頭はどちらもそのクロスを持っていないのが個人的には印象的です。
一番良い産駒はキャロットに行きそうな気がしますが、預託厩舎と価格を見るとクラブ側の期待も感じます。特にモルジアナの22に関しては福永祐一厩舎じゃないかと噂されており、間違いなく人気になるでしょう。
高額馬をたくさん輩出したセレクトセールを踏まえても、さらに注目度が上がりそうな種牡馬です!